前月へ 翌月へ HOME

出来立て!今日の一首

〜令和元年十一月分 の 新いろは歌 中村菜花群〜

2019/ 11/1〜11/5 11/6〜11/10 11/11〜11/15 11/16〜11/20 11/21〜11/25 11/26 11/27 11/28 11/29 11/30


令和元年11月30日(土)

        淹 立 一 杯


 銭ら揃へよ 今日も行く

 自販機までを 我笑みぬ

 胸打つほどや 味冴えゐ

 飲める珈琲 カナリスタ


       せにらそろへよ けふもゆく
       しはんきまてを われゑみぬ
       むねうつほとや あちさえゐ
       のめるこおひい かなりすた


 ミル挽き珈琲の自動販売機で「カナリスタ」というコーヒーを飲みました。いつも反射的にキリマンジャロを選んでいたので、今まで意識していなかったのです。
 私は苦いブラックコーヒーが好きなのですが、銘柄については詳しくなく、あまりこだわりもありません。それにしても、カナリスタって名前、聞いたことがないなぁ……。
 このカナリスタだけ、押しボタンのところにミル挽き≠フ表示が無く、値段が最も安い(150円)し、出来上がるまでの時間がわりと早かったのです。ということは、お金を入れてから豆を挽くタイプではなく、おそらくインスタントの粉コーヒーでしょう。
 しかし、そんなこと関係ありません!
 一口飲んで、独特の味わいがあるなぁと感じました。苦味の中にほんのりとした甘味、酸味があって、他のコーヒーとは明らかに違います。美味しい! 銘柄にこだわらない私が、これは非常に気に入りました!!
 どこのコーヒーだろう、カナリスタ≠フ語源は何だろうと思い、ネットで検索してみたところ……。
 なんと! 自販機の会社(トーヨーベンディング)が作り出した造語≠セ、との情報が出て来ました。特に意味は無く、雰囲気があって親しみを持ちやすい響き≠ナ決めたらしいのです。ゲゲゲ〜〜〜! ほんとかよ〜〜〜!?
 仮にそうだったとしても、名前に意味が無いというのが納得できません。大切な名前を決める際には、元になる言葉が(決定者の潜在意識の中にでも)絶対にあるはずです。私はそれを推理してみました。
 カナリスタの「カナリ」は「カナリア」だろう。「リスタ」は「バリスタ」(コーヒーを淹れる専門の人) のことだろう。つまり、カナリア色(黄色)の豆を挽いてバリスタが淹れてくれたようなコーヒー、そういう香りと雰囲気の逸品をイメージしたのではないか……?
 さらに調べたところ、黄色い実をつける稀少なブラジル産のコーヒー豆「カナリオ種」というのが存在することも判りました(カルディコーヒーファーム公式オンラインショップ参照)。自販機がそのコーヒー豆を使っているかどうかは別として、カナリスタに関する私の推理は核心≠突いていると確信≠オています!!!



令和元年11月29日(金)

        起 床 一 番


 移ろふ空へ 目を遣りぬ

 夜明け星消ゆ 晴れ渡る

 胸の奥にまで 陽射すごと

 遠地見えゐ 風も無い


       うつろふそらへ めをやりぬ
       よあけほしきゆ はれわたる
       むねのおくにまて ひさすこと
       ゑんちみえゐ かせもない


 顔を合わせれば皆さん「寒くなりましたね」とおっしゃいますが、暑がりの私としては、汗をかかずに助かっています。実際、近年は地球温暖化のせいなのか、ここ尼崎市で凍えるほどの寒さを感じたことがありません。
 私の出身小学校は冬でも短パンの制服だったので、息が白くなるような寒気の中でも膝から下がむき出しでした。一月の冷え切った朝などは膝の皮膚がカサカサに乾き、通学路で北風がシャーッと脚を撫でた途端、皮がピシッと割れて、血を流しながら学校に行ったのを覚えています。今ではあかぎれ≠ネんて言葉も、死語になりつつあるでしょう?
 ……それを思うと、今日なんて「寒い」の「さ」の字もありません! セーターも着ず、カッターシャツ一枚で、へっちゃらのちゃらなのです。まぁ、あくまで私の感覚ですけどね(笑)。
 今朝は空も真っ青に晴れ上がり、ふと「とりな歌」を想いました。
「とりなくこゑす ゆめさませ……」のような爽やかな朝の歌が詠みたい、そう感じたのです。しかし本歌は意識せず、自分なりの爽快さを表現しようと思いました。
 第三句目「胸の奥にまで 陽射すごと」は、まさに私の実感です。自己満足ながら、わりと達成感が得られた今日の一首でした(笑)。



令和元年11月28日(木)

        秋 色 散 敷


 美成す赤や黄 舞ふに愛づ

 桜枝の下 落葉せむ

 寺院横を経 練り行ける

 細い道路で 我笑みぬ


       ひなすあかやき まふにめつ
       さくらえのもと おちはせむ
       しゐんよこをへ ねりゆける
       ほそいたうろて われゑみぬ


 今朝また伊丹市野間の大空寺の側を通りかかったら、色づいた桜落葉が道路に散り敷いていてとても綺麗でした。よし、これで行こう! ……と、その場で今日のテーマが決定です。
 桜は花も美しいけれど、秋の葉の色彩変化も実に素晴らしいですね!
 この「美成す赤や黄」をぜひ詠みたいと、一首捻った次第です。
 ところで、昔から鐘の音に親しんで来たこの「爲楽山 大空寺」に関して、今回少し調べてみました。さほど有名ではない小さな御寺なので、これを紹介した書物がほとんど見当たらなかったのですが……。
 朱鷺書房の『摂津国八十八ヶ所めぐり』(摂津国八十八ヶ所霊場会 編) という本に、
《当寺は聖武天皇の御代(724〜749)、行基菩薩によって創建されたと伝わる。その後、貞享3年(1686)の縁起書によると、織田信長の兵火にかかり、藤原時代のご本尊・聖観世音菩薩を焼失。これを嘆いた当時の住職が、ご本尊の脇侍であった毘沙門天、延命地蔵菩薩のうち延命地蔵菩薩をご本尊としておまつりした。その後、聖観世音菩薩を再興して観音堂に奉安し、その脇侍として不動明王、毘沙門天がまつられていた。》
 と出ているのを、ようやく見つけることが出来ました。さらに、
《境内南側には樹齢数百年といわれる松の樹があり、15mほどもあるその枝は、まるで仏法を守護する龍の姿を思わせ、寺を守っている。》
 との記述もあって、あぁ、いつも塀の外から眺めている松がこれだったのかと、意外な場所で懐かしい人に出逢えた気分でした。



令和元年11月27日(水)

        温 温 余 韻


 マヨネエズ 海苔 鰹盛る

 味はひ蕩け 蛸焼ぞ

 全部食らうて 夢に居む

 我美味しさへ 猶笑みぬ


       まよねえすのり かつをもる
       あちはひとろけ たこやきそ
       せんふくらうて ゆめにゐむ
       われおいしさへ なほゑみぬ


 石切サイクリングの帰途、京阪萱島駅前にあるお店「たこ吉」で蛸焼を買いました。

 コメントが追いつかなくて、執筆途中!



令和元年11月26日(火)

        秋 色 演 奏


 そよ風立ち メロデイを

 為す音は ピンクのモオツアルト

 紅葉ら冴ゆ 錦誉む

 山辺居けり 我笑みぬ


       そよかせたち めろていを
       なすねはひんくの もおつあると
       こうえふらさゆ にしきほむ
       やまへゐけり われゑみぬ


 先日、職場で「一期一会」の話をしました。

 執筆途中です……



 2019年11月 1日〜5日 6日〜10日 11日〜15日 16日〜20日 21日〜25日 26日 27日 28日 29日 30日

前月へ 翌月へ HOME

inserted by FC2 system