出来立て！今日の一首
〜令和元年七月分 の 新いろは歌 中村菜花群〜
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令和元年７月31日(水)
街 灯 之 下
ほそうすちある はねのへて
きれいせみゐぬ よやをんわ
つふらにくろし おめもさえ
ひとこゑなけり またゆかむ
昆虫の翅って、綺麗ですよねぇ……！
蝶などはまさにそうですが、この油蝉（上の画像）にしても、じっと観察しているうちに、しみじみと見入ってしまいます。
薄い翅には葉脈のような筋があり、模様はまるで大理石のよう、色合いは落ち着いた茶色、鷹の翼のようにも見えて来ます。小さいながら立派だなぁ……と、改めて感じ入りました。人工ではない、自然の造形というのは素晴らしいですね――。
――昨日、居酒屋へ行った帰り道。酔い覚ましに公園へ立ち寄ったのです。夕闇迫る中、上述の蝉に出逢いました。滑り台の上からギュルルルッと声がするので、近寄ってよく見ると油蝉でした。向こうも人間の姿に驚いたのか、一瞬の間を置き、ジジッと声を立てて飛び去ったのですが、すぐに元の場所へ帰って来ました。街灯の薄明りの下、蝉が旋回する様子が見て取れました。面白い奴だなぁ、そう思いました。
蝉の姿を撮影しようとスマートフォンを向けたところ、今度は逃げませんでした。海ぶどうの粒のような、つややかに光る丸い小さな目がこちらを見ていました。可愛いですね。
ジュジュッと一声鳴いたあと、そのままゆっくり台の上を這って、少し居場所を変えましたが……。その後のことは知りません。
これこそ一期一会ですね……。最後の夏を、元気でな！