前月へ 翌月へ HOME

出来立て!今日の一首

〜令和二年二月分 の 新いろは歌 中村菜花群〜

2020/ 2/1〜2/5 2/6〜2/10 2/11〜2/15 2/16〜2/20 2/21〜2/25 2/26 2/27 2/28 2/29


令和2年2月29日(土)

        濃 厚 煮 汁


 とろり美味成す 好げ食める

 贅沢カレエ 王座居ぬ

 笑んで舞ふや 大空を

 この胸に熱き 血燃ゆべし


       とろりひみなす よけはめる
       せいたくかれえ わうさゐぬ
       ゑんてまふや おほそらを
       このむねにあつき ちもゆへし


 エスビー食品の「本日の贅沢 濃厚ブイヨンビーフカレー(中辛)」を題材に一首詠みました。外箱に、

《具はやわらかビーフと北海道産人参、じゃがいも。
 牛肉をじっくり煮込んだ濃厚な旨みの詰まった
 奥深い特製カレーソースをどうぞご賞味ください。》

 と書いてあります。箱ごと電子レンジで加熱できるタイプなので、慌ただしい朝などには嬉しいですね!
 レトルトカレーとしては標準的な美味しさだと思います。この商品が特別に好きというわけでもないのですが、少々風邪気味で疲れていた今朝、程良い刺激と元気を貰えてありがたかったです。やっぱりカレーは好いですね!
 午前中に銀行などへ用事で出掛け、ついついコンビニでカレーパンを買って帰ったところ、
「朝もカレー、昼もカレー……?」
 と、妻が呆れていました(笑)。昼食に一品添えたかったんですよ……。



令和2年2月28日(金)

        黒 白 二 鼠


 コロナウイルス 世を揺らん

 テレビへ目遣りゐ 大騒ぎ

 今日も味得 また店の

 蕎麦が温しと 常に笑む


       ころなういるす よをゆらん
       てれひへめやりゐ おほさわき
       けふもあちえ またみせの
       そはかぬくしと つねにゑむ


 世間では新型コロナウイルス≠フ話題で持ちきりですね。命に係わる一大事だから、当然といえば当然です。
 それにしても安倍総理の全国小中高臨時休校要請は唐突でしたね……。昨日の今日ですからねぇ。せめて一週間前に言ってもらわないと、学校関係者および児童生徒に混乱を来しますよ!
 そんな大騒動の中、私自身は至って呑気だから申し訳ないですね。元気付けにと駅前で天ぷら蕎麦をすすりつつ、染み渡る出汁の旨さに陶酔しているんですからねぇ。禅の教えにある「黒白二鼠」の譬え話をふと思い出しました。要約すると……。
 獰猛な大虎に追われた旅人が逃げ場を失い、藤蔓を頼りに絶壁の中腹にぶら下がり、一時は難を逃れた。しかし、崖下には大蛇、崖の足場には四匹の毒蛇が待ち受けていて、旅人は蔓につかまったまま身動きが取れない。ふと見上げると、その藤蔓の根元を白と黒の鼠がガリガリかじっている。その時、崖の上にあった蜂の巣から蜂蜜がポトリと落ちて来て、偶然にも旅人の口の中に入った。あぁ、美味い……!

《藤蔓は命の綱、人間の寿命である。その寿命を、黒白の二鼠、つまり夜と昼が、不断に命の綱をかじっている。こういった上下四囲、窮地の真直中におりながら、人間は不思議にも暗い顔をしていない。それは、落ちて来る蜂蜜のしたたりが口にはいるからである。蜂蜜とは、財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲の五欲のことである。》

 なるほどね。私は飲食欲の天ぷら蕎麦ですねぇ(笑)。
 以上、佐藤俊明 著『禅のはなし―二つの月―』(現代教養文庫/社会思想社) を参照・引用しました。



令和2年2月27日(木)

        極 楽 幻 想


 夢ぞ我らも 浄土へ来

 胸に増えゐる 悦びを

 天の蓮池 阿彌陀様

 笑顔為せり 落ち着きぬ


       ゆめそわれらも しやうとへく
       むねにふえゐる よろこひを
       てんのはすいけ あみたさま
       ゑかほなせり おちつきぬ


 先日通院の帰りに通りかかったお寺、尼崎市西難波町にある「遠照山 光明寺」の阿弥陀如来坐像から極楽≠イメージして詠みました。



令和2年2月26日(水)

        常 吉 東 屋


 源太郎橋 水車

 水路 野辺萌え 青さやな

 遠き眠りに 我落ちゐ

 胡蝶 そよ風 夢酔ひぬ


       けんたらうはし みつくるま
       すいろのへもえ あをさやな
       とほきねむりに われおちゐ
       こてふそよかせ ゆめゑひぬ


 尼崎市常吉にある「源太郎橋水車公園」を詠みました。



 2020年2月 1日〜5日 6日〜10日 11日〜15日 16日〜20日 21日〜25日 26日 27日 28日 29日

前月へ 翌月へ HOME

inserted by FC2 system