出来立て!今日の一首
〜平成二十九年十月分 の 新いろは歌 中村菜花群〜
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平成29年10月30日(月)
初 北 寄 風
たいふうさりぬ ろちゆくと
むねもはれえて おひるよけ
わんをまへにゐ あめみすゑ
なほこからしの きせつそや
近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたと、神戸新聞夕刊で読みました。同紙に「昨年より1日遅い。兵庫県全域でも同日早朝から北寄りの強い風が吹いた」とあり、今朝暗いうちからの強風がそうだったのかと思い当たりました。ちょうど用事があって関西国際空港へ向かう途中で、車の中にいてもビュービューと吹く風の音を感じたぐらいです。
昨日吹き荒れた台風22号の名残りかと思っていたのですが、そうではなかったようです。
新聞の表現を借りると、今日は「晩秋から初冬にかけ、西高東低の冬型の気圧配置となり、最大風速8b以上の風が吹いた日」ということになります。唱歌「たきび」(巽聖歌 作詞) の三番、
こがらし、こがらし
さむいみち、
たきびだ、たきびだ、
おちばたき。
の歌詞が浮かんで来ました。もうすぐそんな季節なんですね……。
今更ながら、月日の経つのは早い、早い。でもほんとに色々な事があって……。この二ヶ月間を、なんだか昨年の事のように感じています。
平成29年10月27日(金)
嘉 肴 有 雖
せかいのちんみ うまさおす
きやひあとりゆふ ほわくらそ
むねはれめて たへぬるを
こゑもなけにゐ えつよろし
今日の『おはよう朝日です』のグルメ情報は「キャビア大盛りのサンドイッチにトリュフたっぷりクレープ」だったそうです。残念ながらその放送を見ることはできませんでしたが、番組欄のフレーズが、世界三大珍味の歌を作るきっかけを与えてくれました。
「フォアグラ」を「ホワグラ」と表記すれば、三つの食材が全て詠み込めるなぁと考え、「キャビア トリュフ ホワグラ」に仮名の重複が無いことを、いつの間にか頭の中で何度も確認していました。どれも食べたことがないのに、歌は短時間でそれなりに形が整いました。味が解らず実感の無い物でも、新いろは歌ならこうして詠めるんだから不思議ですね。
いつかは本物を食べる機会もあるでしょう。その時はもっと感情のこもった歌が出来るかな?
今のところは画像も「うにいくら弁当」でごまかしています。ま、いいってことよ(笑)。
平成29年10月26日(木)
妖 艶 香 食
うすくけつれる こかねやら
とりゆふをのせ めんへなむ
わそはおほいに よろしきひ
あちもさえゐて またゑみぬ
今朝、朝日放送の『おはよう朝日です』で「トリュフ蕎麦」というのを紹介していました。大阪北新地のお店で食べられるそうです。
盛蕎麦の上にトリュフが載っていて、さらに金箔もふりかけてあるという高級メニューです。そりゃぁ食べてみたいですが、値段を聞いて、思わず「いらんわ!」と声を発してしまいました。
4,104円!!(税抜き3,800円)
蕎麦1杯がですよ! トリュフや金箔が載っているんだから高価なのは解るけど、そのお金で駅前のスタミナそばが何杯食えるんだ!? だいいち私はトリュフの実物を見たことも食べたこともありません。味には人それぞれ好みがあるから、食べても本当に美味しいと感じるかどうか。今のところ、実際に行動を起こすだけの情熱も湧かないし……。ちぇっ、どうせあの蕎麦は美味しくないや……と、イソップ寓話の「キツネとぶどう」みたいですね(苦笑)。
本物のトリュフを知らない私は、画像も椎茸でごまかしました(笑)。ま、いいってことよ。
平成29年10月25日(水)
柊 南 天 属
せわをやかけす よくおひて
ゆれしまほにあ こんふうさ
もえゐるつねの みとりへそ
きいろめたちぬ はならゑむ
マホニアコンフーサ? なんじゃそりゃ〜〜〜!? って感じでした。
この植物名を知ったのが、ちょうど去年の今頃です。植込みの表示板にそうありました。こういうカタカナの学名は、ほんとに解りにくいです。インターネット等で調べてみると、和名を「柳葉柊南天(やなぎばひいらぎなんてん)」というそうで、漢字で書いてもらうとイメージしやすく、気持ちもほっと和みます。マホニアなんとか言われても、言葉の意味が解らないんだから覚えるのも大変でした。
「コンフーサ(confusa)」というのは、英語の「コンヒューズ(confuse)」すなわち「困惑させる・混同する」ということと、やはり関係があるのでしょうか? 実際に私が今、困惑していますよ(苦笑)。
他の植物と見分けが付きにくい、混同しやすいということかもしれませんね。和名を見ても「柳」なのか「柊」なのか「南天」なのか、混乱してしまいます……。
しかしよく考えてみると、「柳」は柳に雪折れなし≠ナ忍耐強さを表します。「柊」は節分で悪鬼を払うとされています。さらに「南天」は難を転ず≠ノ通ずることから縁起の良い木とされています。つまり、この三つを併せ持つ「柳葉柊南天」は縁起が良いことこの上ない、実に素晴らしい木ということになります!
その柳葉柊南天が、今年も黄色い花を付けました。水もほぼ雨だけで充分、さほど手入れの必要がない常緑低木なので、花壇や緑地用によく植えられているようです。
平成29年10月23日(月) b
暴 威 爪 跡
むまかへんなす よおそろし
あけゐてのちも めをみはる
ほこらやねきえ われせつく
たいふうゆゑに とひさりぬ
目が覚めると、嘘のような静けさです。どうやら台風が去ったようで、ほっとしました。
テレビを点けて台風情報を見たら、兵庫県尼崎市の大雨暴風警報は解除されています。ようやくいつもの朝が戻って来ました。
玄関を出て、新聞を取り入れます。今朝は生ごみも出さなくっちゃなぁ。そんなことを考えながらぼんやりと庭先を見て、何か違和感を覚えました。
あ! 無い!
唖然としました。庭の隅に祭ってある祠の、屋根が無くなっていたのです! 台風で吹き飛ばされたんですね。よく見ると、横の地面へ落ちて、ひっくり返っています。出勤前で急いでいたので、とりあえずそのままにし、家を出ました。
帰宅してすぐ、転がっている屋根を持ち上げようとしたら、重くて一人では持てません。妻に手伝ってもらって、ようやく元通りになりました(右の画像)。
私が小学生になったばかりの頃に出来た祠ですが、今回のような事は今までに一度もなかったので、正直驚きました。でもまぁ台風の影響がこの程度で済んで、ほんとに幸いでした。ニュースによると、大阪では大和川が氾濫、和歌山では紀の川市が大規模冠水、各地で土砂崩れ等々、大変な被害です。私はさほど信心深いわけでもないけれど、こうして無事で居られるのは、やはり神様の御蔭かなぁと思いました。庭の祠の神様が我が家の身代わりとなって、災厄を受けてくださったのかなぁ……、と。
平成29年10月23日(月) a
夜 来 風 雨
かせふきわたり あれくるひ
おそろしけほえ こゑやます
ようねむらんと みをのへつ
ゆめちにはなも さいてゐぬ
衆院選投票日だった日曜の夜、台風21号が近畿地方に最接近!
昨日は夕方からだんだんと風雨が強まり、気がついたら土砂降りでした。家の勝手口を出ると、水溜りが広がっています。暗がりでびゅうびゅうと吹く暴風の音に、心細さが募ります。忘れていた夕刊を取りに出て、夜空を背景にびゅんびゅん揺れる金木犀の木に、しばし見入りました。またそれをケータイで撮影したりして、私もほんとに酔狂でした。
こんな日はあれこれ心配せず、早く寝るに限ります。
蒲団をかぶって夢の中。花咲く野辺に身を置きたいと、またまた酔狂に一首詠んだ次第です。大筋はほぼ寝る前に出来上がり、最後の仕上げは目覚めの今朝となりました。
平成29年10月21日(土)
背 高 群 生
ふとのへめむけ はなきいろ
あわたちさうそ ひをもりて
えらくねつよし ゆれやまぬ
おほかせこんに みすゑゐる
月に一度、国民健康保険証を提示する必要もあって、今朝も西宮の明和病院(耳鼻科)へ行ってきました。べつに重病ではないので、私にとってはこの病院通いも一つの小さな楽しみとなっています。
サイクリング感覚で、片道約四〇分の自転車走行。道中では風を感じ、花を愛で、町の風情を味わいます。病院へ着いたら自動販売機のコーヒーを飲み、ひと息入れた後、待合の絵本などをゆったりと閲覧しつつ開診を待ちます。帰りは少し遠回りしながら枝道や抜け道を探索し、最後に吉野家へ寄って、少し早めの昼食を摂るのです。日常の雑事を離れ、土曜の午前のくつろぎの数時間。帰宅したら帰宅したで、また色々用事もあるけれど、とりあえずそんなことは忘れます。束の間ながらも最高の気分転換、心の自由を満喫すればいいのです!
そんなわけで、今日は西宮市樋ノ口町にて武庫川土手下の背高泡立草が心に沁みました。そして仮名の配列を構想しつつ病院へ到着、待ち時間に上記の歌を詠み終えました。
折しも台風21号が日本列島へ接近中で、それが「大風来んに」と表現される結果となっています。秋雨前線の影響もあって、病院を出る時はすでに小雨、昼からは本降りの空模様でした。
平成29年10月20日(金)
二 九 八 円
こせにそろへり ねほとよく
おひるをけふも かうてゐぬ
しらすめんたい きさみなの
あちはゆえつや われゑまむ
今朝もローソンへ寄りました。ところが、ちょうど弁当コーナーがすかすか、今日の商品が入荷する前だったようです。棚にはおにぎりがたったの三個、弁当は二つしか並んでいません。
残念……!
と思いかけたのですが、その残っていた弁当というのが昨日と同じ「国産釜揚げしらすと明太子のご飯」だったので、それなら好いかと買いました。値段も安めで美味しかったのでね。私は一旦気に入ると、飽きずに同じ物を頻繁に食べ続ける傾向があるのです(栄養が偏る……なんて言われるほどの物も食べてません。笑)。
そして再び「イロハーズ・ハイ」です!
すらすらと上記の歌を詠みました。まぁ出来栄えは別として、またまた朝飯後の「朝飯前」でした(笑)。
平成29年10月19日(木)
旨 味 弁 当
ちとうゑおほゆ われはゐぬ
かまあけしらす めんたいや
きさみなをのせ くふひるそ
むねにてもえつ よろこへり
自転車通勤の途中、昼用の弁当を買いにローソンへ寄りました。大抵はおにぎりを三つ(赤飯おこわ、胡麻さけ、手巻きシーチキンマヨネーズが私の定番かな)選ぶのですが、今朝は一目でこれだ!≠ニ思うものに出合いました。
「国産釜揚げしらすと明太子のご飯」です!
閃きが走りました。食欲もさることながら、もう頭の中では新いろは歌を考え始めていたのです。「かまあげしらす めんたいこ」なら仮名の重複が無いなぁ……って。そして、さほど時間もかからず上記の歌を詠みました。
こういうのを「ランナーズ・ハイ」ならぬ「イロハーズ・ハイ」とでも呼ぶのでしょうか。
まぁ出来栄えは別として、これこそ「朝飯前」の手慰みですね。と言っても、実際は朝飯を食べた後でしたがね(笑)。
平成29年10月18日(水)
前 線 北 上
こさめかちなる しうにゐぬ
けふむねのすく あきはれよ
とへてゑまんや ひろいそら
えつをもおほゆ みわたせり
秋雨前線が日本の南岸に停滞とかで、数日前から雨模様の天気となっていました。
それが……、今朝はようやく晴れました! 午後からまた曇り空、晩からはまた雨となってしまいましたが、久しぶりに見た青空はほんとに気持ちが良かったです!
近所の大きな金木犀の木に朝日が当たり、無数の小さな花々が色鮮やかに照り映えました。その輝きに励まされつつ、仕事に出掛けてゆきました。爽やかな空気に気分も晴ればれ、昨日の曇天を払拭するように、いつの間にか広がっていた青天。それはまるで、梅雨の晴れ間の「五月晴れ」のようでした。
平成29年10月17日(火)
橙 黄 銀 河
きんもくせいの はなおつや
ろちへゑかける ほしにみえ
ゆふそらすむ こさめあと
われうたをひねり よまてゐぬ
天気が良くない日は、ついつい外出が億劫になります。しかし、ずっと家の中にいると、知らず知らず気が滅入って倦怠感に呑み込まれてしまいます。それを打破すべく表へ出ました。
幸い雨もやんだので、自転車を走らせました。近所のお寺の横の道が、オレンジ色に染まっています。あ、なるほど。金木犀の落花です。
十字型の小さな花が無数に落ちている様子は、まるで星空みたいだなと思いました。これだ!
今日という日はこのためにあったのだと、そう感じる瞬間でした。あとはひたすら「きんもくせいの はなおつや……」の歌を考え続けていました。
ちょっと外に出るだけで、やはり何かしらの小さな発見≠ェありますね。
創作意欲こそが心の活力です。苦吟しだすと時間を忘れ、我を忘れてしまいます。
平成29年10月14日(土) b
二 枚 盛 重
ねんいりにたれ ぬつてやけ
めしへのせゐる うなきをそ
はむとよろこひ ゑみもふえ
あまからくわす さちおほゆ
久しぶりに吉野家の鰻重二枚盛を食べました。
身が軟らかくって、とっても美味しかった!
スーパーなどで売っている、パックに入った鰻の蒲焼は、身が少し硬めな気がします。吉野家のはどうしてこんなに軟らかいのでしょう!? 期待通りの満足感を得られ、好い心持ちで店を出ました。
ところで、『広辞苑(第六版)』に「産卵場は、日本のウナギはフィリピン東方の海域、ヨーロッパ・アメリカのウナギは大西洋の中央部の深海」と出ていますが、いったいどうやって調べたんでしょうかねぇ。調査範囲が広すぎますよ。身近な川にいる鰻が、まさか遠い遠い海の底で産卵しているなんて、ふつうは誰も考えないでしょう。
謎多き生き物、その地球規模の旺盛な生命力を、我々はありがたく頂いているわけです。精が付くはずです。
平成29年10月14日(土) a
朝 日 赤 目
あかなすしほり えきをませ
ひいるつくられ よろこふに
のめやおもはぬ てうわゆゑ
むねへそとけゐ さちみたん
私の母はトマトは好きでしたが、トマトジュースが嫌いでした。また、お酒も飲めませんでした。
その母が、なぜか好んで飲んだのが、ビールにトマトジュースを加えたカクテル「レッドアイ」です。これこそ「思はぬ調和」の成せる業でしょう。
私はビールもトマトジュースも大好きで、レッドアイはまさしく夢のコラボレーションです! 数年前に発売された商品、アサヒビールとカゴメ共同開発の「アサヒレッドアイ」を初めて飲んで以来、大ファンになりました! しかし数量限定販売とのことで、今ではもう店頭で見かけたことがありません。近所の酒屋さんに頼んでも、入荷しないと言われ、ちょっと残念です。
でもまぁインターネットでは買えるし、今でもまだ売っている自動販売機をたまたま発見したので、時々そこへ通ってはガチャンとやってます。数本まとめて買うと、すぐに売切れの表示ランプが点るけど、後日ちゃんと補充されているようです。今後もどうか、品切れにしないでね!!! 通りすがりの一需要者の叫びです。
※注 「赤茄子」はトマトの異称です。「トマト」だと「と」の字が重複するので言い換えました。
平成29年10月12日(木) b
仲 良 菌 類
ふたつはえて しろうゑむ
われをまねけり へあきのこよ
そちゐぬるかさ みせんとす
おほいにゆめも ひらくやな
朝、駐車場脇の露地に白い大きなキノコが生えているのを見つけました!
笠の直径12〜13cmはあったでしょう。それが二つ並んで仲良く育っているのです。
ペア茸だな……。
不意にそんな言葉が浮かんで来ます。そして何の変哲も無い場所が、なんだか恋人の聖地みたいに思え、妙にハッピーな気分になりました。
私はやはり植物を観察するのが好きなんですね。草花も好いし、キノコも好い。キノコといえば、松茸、椎茸、榎茸、滑子にエリンギ、木耳など、ついつい食べることばかり考えてしまいますが……、名も知らぬキノコをただ眺めるだけというのも、なかなか楽しいものです。
「食べられる種類かな?」
ちらと浮かんだ食への期待も、すぐに消えてしまいました。河豚は食いたし命は惜しし――そういう了見じゃありません。二本並んだその白さ、その形、その伸び具合……。しばらくはケータイで撮影するのに、ただもう夢中になりました。
平成29年10月12日(木) a
朱 色 星 屑
そこらへゐると ゑふやうて
きんもくせいの はなおほし
むねひたすさち えつよけに
あろまかをりぬ われゆめみ
三日前の祝日、体育の日。起きるとすぐに玄関を出て、新鮮な空気を吸いました。素晴らしい秋晴れです。
ふと庭木に目をやると、金木犀がこぼれるばかりに花を付けていたのです。朝日に照らされ星のように輝く様子を見て、思わず「あ、金木犀!」と叫んでいました。
今年も咲いたなぁ……!
花というのは咲くままに、ただそこにあるだけで、もうやたらと嬉しくなってしまいます。
特に金木犀は遠くからでも香るので、自転車で町を走っている時など、知らず知らず香りの方へハンドルを切っていたりするのです……。
私にとって、心華やぐ秋はいつも金木犀から始まります。
この日は最も十月を実感できる、爽やかな一日となりました。
平成29年10月10日(火)
讃 岐 辛 旨
あをねきもらる おいしさの
かれえうとんそ みせすわり
たちにほふゆけ まつめてゐ
くへはゑむやな よろこひぬ
金比羅製麺のお店で肉カレーうどんの大を食べました。ボリュームがあって美味しかった! 辛味も好かったです。その食事中に、後ろから話し声が聞こえて来ました。
「おい、それ取って、そこの茶碗」
「どれよ?」
「その茶碗や!」
「茶碗じゃ解らんわ、湯呑みでしょ?」
ははぁ、なるほどねぇ。でも「湯呑み茶碗」って言うからなぁ。「湯呑み」も「茶碗」には違いないなぁ……、なんて思いながら聞いていました。
帰宅後、国語辞典で「茶碗」の語を調べたら、昔は陶磁器の総称としても用いられた、との説明がありました。ご飯を盛るのが「飯茶碗」、お茶を入れるのが「湯呑み茶碗」なのでしょう。そういえば茶碗蒸しの器も、やっぱり「茶碗」ですよねぇ。
まぁ、携帯電話が「ケータイ」と呼ばれるくらいですから(当然ながら「携帯」という語に電話の意味は無いわけで)、言葉というのは面白いですね。
平成29年10月7日(土)
四 重 天 守
やくはをたつね あまかさき
おしろもけい すゑられぬる
わうゐのふなと えんにみせ
ひそへほこりて ちよゆめむ
きのう小雨に濡れつつ、住民票等をもらいに尼崎市役所へ行きました。中央玄関を入ると、まずはお城の模型に目を奪われます。そういえば来年秋の完成に向けて、尼崎城再建プロジェクトが現在進行中とか。明治時代に廃城となったため、尼崎城の存在さえ知らなかったという市民も多い中、いま新しい城下町として生まれ変わろうとしている尼崎。本物のお城を見られる日がほんとに楽しみです。
市役所館内で配布している小冊子「尼崎観光交流ガイド あまらぶ」によると、再建される尼崎城では体験やイベントが楽しめるようタイムスリップ尼崎VRシアター∞近世尼崎城下体験コーナー∞わがまち、あまがさき展望台≠ネどが計画されているとのこと。歴史館としての機能も備え、城の周辺は公園が拡張整備されるそうです。
これはもう今までの尼崎とは違う、一大観光都市ですね!
未来への希望が湧きます!
平成29年10月6日(金)
十 月 五 日
むねはやるゆゑ ほそみちぬけ
いわしくもなす あきころを
おめてたうの ふれせんと
よさえらひゐ つまにかへり
昨日、職場で今日は何の日か知ってますか≠ニいう話が出ました。
私は全く知らなかったのですが、ユネスコが制定した「世界教師デー」だと教えてもらいました。
他にも色々調べてみると、日本チェーンストア協会が制定したという「レジ袋ゼロデー」、明治時代に日本初の時刻表が出版されたという「時刻表記念日」、そして禅宗の開祖である達磨大師が入寂した日「達磨忌」だそうです。
待てよ、十月五日……。あ!!!!!
何か忘れてるなぁと思ったら、妻の誕生日だったのです!
ささやかながらもプレゼントを買いに、急いで阪急西宮ガーデンズへ飛びました。その帰り道、夕空に広がった鰯雲がとても綺麗でした。
――忙中閑あり。昨日見た秋空は、いつまでも心に残る、思い出の風景となりそうです。
平成29年10月4日(水)
切 間 秋 天
いちめんおほふ うろこくも
さけつあをそら みえゆきぬ
かせわたるなり のへにゐて
はれよとゑまひ むねやすし
昔から、変わりやすいもののたとえとして「女心と秋の空」などと言われます。女心はさておくとして、秋の空は確かに変わりやすいなぁと、今日改めて実感しました。
早朝は空一面に鱗雲が広がって薄曇りだったのが、雲の裂け目から青空が見え、いつの間にか秋晴れです。今度はお昼前、ほっと息抜きに空を眺めていて、あれっと思いました。雲の流れる方向が違うんですね。薄い筋雲は南(だったかな?)へ、それよりさらに上空のちぎれ雲は北へ、お互い逆方向に動いているのです。真っ青な天を背景に、流れゆく二層の白雲。その空の変化にしばし見入りました。
最後に、角川書店版『図説俳句大歳時記 秋』で見つけた俳句を一つ。
やまびこをつれてゆく尾根うろこ雲 飯田蛇笏
「やまびこ」の音の波と「うろこ雲」の波模様とがイメージ的に一致し、まるで呼び声を目で見るような句だなぁと感じました。
平成29年10月3日(火)
微 妙 之 感
ひやくにちしろい さるすへり
かせよわうて えゆれけん
あきのおほそら むねはまた
なつをもこふと めゑみゐぬ
先週、散髪に行く途中で白いサルスベリの花が目に入りました。青天に白さが映えて、とても清々しいなと感じる一方で、ふと疑問に思ったことがあります。
サルスベリは漢字で「百日紅」と書きますが、白い花なら「百日白」なのではないか……と。
何冊か歳時記をめくってみたところ「白さるすべり」「しろばなさるすべり」、そして「百日白(ひゃくじつはく)」の語が見えました!! 大後美保編『季語辞典』(東京堂出版)には「白い花のものを百日白とも書く」との説明もあります。何事も調べてみないと分からないものですね!
ちなみに私は、紅白絞り咲きのサルスベリ(「百日紅白」かな???)が大好きです。
最後に、講談社版『カラー図説 日本大歳時記 座右版』で見つけた俳句を一つ。
百日紅百日白と大雨中 星野立子
2017年10月 3日 4日 6日 7日 10日 12日a b 14日a b 17日 18日 19日 20日 21日 23日a b 25日 26日 27日 30日