前月へ 翌月へ HOME

出来立て!今日の一首

〜平成三十一年一月分 の 新いろは歌 中村菜花群〜

2019/ 1/1 1/2 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10 1/11 1/12 1/13 1/14 1/15 1/16 1/17 1/18 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26 1/27 1/28 1/29 1/30 1/31


平成31年1月31日(木)

        帰 路 必 死


 茜の夕べ 火照り消え

 遠方に居ぬ 侘しい地

 怖気差す闇 迫れるを

 苦も舐めたらむ トロツコよ


       あかねのゆふへ ほてりきえ
       ゑんはうにゐぬ わひしいち
       おそけさすやみ せまれるを
       くもなめたらむ とろつこよ


 芥川龍之介の小説「トロッコ」を題材に一首詠んでみました。以前にも同じテーマで新いろは歌を作ったことがあるのですが(本ホームページ内「五劫の擦り切れ」参照)、かなり印象が違っています。自分でも前作をあまり覚えていないので……。



平成31年1月30日(水)

        転 寝 草 子


 炬燵居ん我 夢よ消え

 曙になり 春笑みて

 山辺想ひぬ 尾根近く

 空薄白さ 風情富む


       こたつゐんわれ ゆめよきえ
       あけほのになり はるゑみて
       やまへおもひぬ をねちかく
       そらうすしろさ ふせいとむ


 目が覚めた時、清少納言『枕草子』の冒頭「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは……」を思い出していました。
 天気予報では今朝は少し冷え込んでいるとか言っていましたが、私はほとんど寒さを感じません。気分はもう春ですよ、春!



平成31年1月29日(火)

        立 春 間 近


 枝へ黄色や 梅の花

 咲み零れつる 町も冷ゆ

 空を風音 より寒げ

 慌てずに居ん 胸温し


       えたへきいろや うめのはな
       ゑみこほれつる まちもひゆ
       そらをかせおと よりさふけ
       あわてすにゐん むねぬくし


 記帳や振込手続で銀行に出向きました。その途中の道で、民家の黄色い梅が咲きこぼれているのを見たのです。「蝋梅(ろうばい)」というのでしょうか。水路を隔てていたので、間近に見られなかったのがちょっと残念です。



平成31年1月28日(月)

        漢 字 分 類


 人屋根 麻垂 衣偏

 目にする部首 みな覚えつ

 空で書くを 知恵湧きぬ

 夜は去り明けの 威勢生む


       ひとやねまたれ ころもへん
       めいするふしゆ みなおほえつ
       そらてかくを ちゑわきぬ
       よはさりあけの ゐせいうむ


 漢字の部首って難しいですね!
「相」は「きへん」ではなくて「め」(相手を目で見るの意)。「間」は「もんがまえ」なのに「聞」は「みみ」、「問」は「くち」。まぁ、意味を持つ部分が部首になっていると考えれば、ある程度は判断できますが……。
「広」の部首は「まだれ」、その「まだれ」の「ま」とは「麻」を指しているとのこと。「麻(ま)」の「垂(たれ)」で「まだれ」。しかし、しかしですよ、「麻」の部首は「まだれ」ではなくて「あさ(麻)」、漢字そのものが部首なんですねぇ! なんじゃそりゃ〜!
「初」は「ころもへん」ではなくて「かたな(刀)」。「裏」は「なべぶた」ではなくて「ころも(衣)」。「哀」は「ころも」ではなくて「くち(口)」。なかなか奥が深いです……!
 こりゃ一筋縄ではいきませんね。念のために、漢字の成立ちを一字々々確認する必要がありそうです……。



平成31年1月27日(日)

        密 封 掌 偶


 玩具微小ぞ 可愛げに

 豆粒ほどの 栗鼠居たる

 幼き胸へ 愛得られ

 喜んで来 和し笑みぬ


       おもちやひせうそ かはゆけに
       まめつふほとの りすゐたる
       をさなきむねへ あいえられ
       よろこんてく わしゑみぬ


 一日の用事を済ませて晩に帰宅したら、子供が豆粒ほどの栗鼠の人形で遊んでいました(上の画像)。
 なにこれ〜〜〜! なんとも愛くるしいマスコットですね!
 昼にイオンだか何処だかへ行って、コインを入れてレバーを回すとカプセル入りの小さい玩具が出て来る、いわゆるガチャガチャ≠ナ買って来たらしいのです。栗鼠が乗っているのは、橇でしょうか、木馬でしょうか。こりゃなかなか手が込んで面白いもんだなぁと感じ入りました。
「今日の歌題はこれだ!」と即座にそう思いましたよ。早速スマホで撮影し、頭の中で仮名文字を拾い始めた次第です。



平成31年1月26日(土)

        熱 熱 頬 張


 我身も冷えゐ 風寒う

 常に空へ 鳴る音す

 温い蛸焼 湯気上り

 食むを味よろし 愛で笑まん


       われみもひえゐ かせさふう
       つねにそらへ なるおとす
       ぬくいたこやき ゆけのほり
       はむをあちよろし めてゑまん


 妻が買い物に行き、子供と二人で留守番をしていました。お昼にタコ焼を買って来るから≠ニいうので楽しみにしていたのですが……。
 待つ身のつらさを覚え始めたのが一時頃です。二時間も前に出掛けたのに、妻はなかなか帰って来ません。お腹が減ると、頭の中はタコ焼のことでいっぱいです。何度も玄関の扉を開け、外を見に行きます。お昼過ぎから好い天気になりましたが、時々雪がちらつきました。おぉ寒、寒、タコ焼まだかなぁ……!
 結局、妻が戻ったのは二時半を過ぎた頃でした。あぁ、やっと食べられる……!
 まだ熱さが残る大粒のタコ焼、大好物を頬張り、ようやく人心地つきました。
 寒い日に熱々のものを! ささやかな心の贅沢≠ナす。



平成31年1月25日(金)

        日 差 一 杯


 少と風来ぬ 春野撫で

 胸燃え笑まふ 我居けり

 青い山脈 歓びに

 大空へ夢 映し出す


       ちとかせきぬ はるのなて
       むねもえゑまふ われゐけり
       あをいさんみやく よろこひに
       おほそらへゆめ うつしたす


 我が心の春空を映し出したかのような今朝の風景でした。遠くに見える六甲連山、穏やかに紫がかった尾根は「山笑う」という春の季語にぴったりです。昔の映画主題歌「青い山脈」の歌詞が、軽やかに浮かんで来ます……。
 今日も一日、セーターを脱いで仕事しました。全然寒くありませんでした。



平成31年1月24日(木)

        女 神 到 来


 咲いて夢成す 春の風

 大空笑みつ 山辺居ぬ

 胸燃え血沸き 肉躍り

 歓び溢れ 運剛し


       さいてゆめなす はるのかせ
       おほそらゑみつ やまへゐぬ
       むねもえちわき にくをとり
       よろこひあふれ うんたけし


 冬の山場を越えたなぁと実感しました。
 先週までは朝七時頃まで寝ていましたが、今週に入り、目覚めの時間が徐々に早くなっています。体が春モードに入ったのです。
 だから今朝はダウンジャケットを着ず、薄いジャンパーに替えました。職場ではセーターも脱ぎ、暖房のない廊下などもカッターシャツで過ごしました。それで充分でした。元来が暑がりの私ですからねぇ。今後もっと冷え込む日があったとしても、もう寒いとは思いません。皮膚に冷たさを感じても、それは表面的なものであって、体の芯は熱いのです! 心はもうすっかり春です。春の女神の到来ですよ!
 昔のテレビアニメーション、カルピスまんが劇場『山ねずみロッキーチャック』第1話冒頭を思い出します。巣穴から雪原へ出たピーターうさぎがふと顔を上げて耳を澄ますと、遠くから優しい歌声が聞こえて来ます。
「……南風だ。あぁ〜、南風のおねえさんだ!
 うわぁ〜! 南風のおねえさんが来たんだ! 南風のおねえさんだ〜!」
 そのことを大声であちこちへ知らせに回るピーター。
「南風のおねえさんが来たぞ〜! 南風のおねえさんが来たぞ〜〜〜!」
 私もちょうどそんな気分でした……!
 なお、上の画像は正月二日、大阪府大東市中垣内の初春≠フ空です。



平成31年1月23日(水)

        球 根 連 想


 朝枝へ梅が 匂つて居

 水仙見頃 咲む地行けり

 ふと思ひ遣る 玉葱の

 花をぞ我 よく知らぬ


       あさえへうめか にほつてゐ
       すいせんみころ ゑむちゆけり
       ふとおもひやる たまねきの
       はなをそわれ よくしらぬ


 職場のフェンス脇に生えている水仙の葉を眺めていました。若葉なのか、葉ばっかりで花もつぼみも無いじゃないか……。先日通りかかった公園の水仙は綺麗に咲いていたのになぁ。白梅も見たなぁ……。
 そして、水仙の球根≠フイメージから、今度は考えが「玉葱」に移ります。そういえば、玉葱の花ってどんなだったかなぁ……? ふだん意識していないことを急に思い出そうとしても、頭が働きません。
 よく考えたら、玉葱の花って葱坊主≠ナすよねぇ。でも、ふつうの青葱や白葱の花と、玉葱の花と、何か違いはあるのかなぁ? いや、同じ葱の仲間だから、大した違いはないのかなぁ……?
 以上の事情を、そのまま新いろは歌に詠みました。
 ちなみに上の画像は、十年も前に庭で撮影したものです。確かに玉葱の花≠セったと思うのですが……。



平成31年1月22日(火)

        有 明 浪 漫


 ぺたり餅為す 兎跳ね

 夢や美に居む ふと夜明く

 白い満月 残る空

 風を覚えて 我笑みぬ


       へたりもちなす うさきはね
       ゆめやひにゐむ ふとよあく
       しろいまんけつ のこるそら
       かせをおほえて われゑみぬ


 午前七時、西の空に残る満月を見ました。上の画像では小さくてよくわかりませんが、実際に見た感じでは、ほんとに大きく、真ん丸く、薄白い円の中で餅搗き兎が逆立ちした格好になっています。朝の慌ただしさを忘れてほっと心が和み、ほんのしばらくですがお月見°C分を味わいました。
 このあと一日忙しかったですねぇ。法務局へ出掛ける用事があって……、それが済むと今度は来月の法事の算段です。会食の店の予約が取れて安心したのも束の間、続いて市役所と医院へ仕事関係で必要な証明書を貰いに行き、帰宅したらもう暗くなってしまいました。晩はパソコンに向かって明日の準備にかかり、今日やろうと決めたことは辛うじて全部終わらせました。やれやれですね。
 しかし、忙中閑あり。お昼は回転寿司で英気を養いましたよ!



平成31年1月21日(月)

        豪 華 辛 旨


 カレエ大盛 牛チイズ

 温玉ら載せ 歓ぶや

 胸に花咲く 美と和愛で

 湯気添へ熱し 笑み居ぬる


       かれえおほもり きうちいす
       をんたまらのせ よろこふや
       むねにはなさく ひとわめて
       ゆけそへあつし ゑみゐぬる


 すき家のカレーについては、昨年一月七日、五月二十二日、十月十三日の項でも採り上げ、すでに計三回、新いろは歌に詠んでいます。それでもなお、同じ題材で創作意欲が湧きました!
 上の画像をご覧下さい。どうですか、この豪華さ! カレー好きにはたまりませんなぁ! さすが「デラックスカレー」ですね。今までに何度も撮影してるけど、見ているだけで豊かな気分になりますね。
 サラダと味噌汁の付いたセットメニュー、カレーは大盛で充分に満足します。一度メガ盛≠頼んでみたい気持ちもあるのですが……。今度挑戦してみようかな? いや、やっぱり腹八分目かな? 単に想像しているだけなのに……、現在、独りで葛藤中!



平成31年1月20日(日)

        新 味 発 見


 ストロベリイの 実込めゐつ

 甘きを塗らむ 練る乳脂

 好げやなパンぞ ぜひ得たく

 我笑顔で 幸想ふ


       すとろへりいの みこめゐつ
       あまきをぬらむ ねるにゆうし
       よけやまはんそ せひえたく
       われゑかほて さちおもふ


 ファミリーマートで見つけた新発売の「ホイップ&カスタード いちごサンド」(税込340円) の歌を作ろうと、さんざん頭を捻りました。どうしても同じ仮名が重なってしまうんですよねぇ……。
 まず、「サンドイツチ」「ホイツプ」「いちご」で「い」の字の重複を避けねばなりません。食パンに苺とクリームが挟んであることを言いたいのだけれど、「パン」と「はさむ」で「は」の字が重なり、「クリイム」「いちご」でも「い」の字が重なり、「ストロベリイ」に置き換えても「い」の字が重なってしまいます。クリームを「にゆうし(乳脂)」と言い換え、何とか切り抜けました。しかしサンドイッチ≠ナあることを明確に表現できず、出来映えは今一つですね……。
 ところで、この「いちごサンド」という商品、味はほとんど苺のショートケーキですよ! 食べた感じでは、生地が食パンとは思えません。サンドイッチというのはご飯≠フ代用という感覚が(私には)ありますが、これは明らかにデザート≠ナすね。食事というよりおやつ≠ノぴったりです。その点、ちょっと意表を突かれました。まぁ、私の固定観念が強いせいかもしれません……。



平成31年1月19日(土)

        辛 炎 湧 気


 スウプ紅 色映えて

 胸に沁ませつ 笑顔ぞや

 拉麺 餃子 食べぬるを

 この身火と燃ゆ 血沸けり


       すうふくれなゐ いろはえて
       むねにしませつ ゑかほそや
       らあめんきよおさ たへぬるを
       このみひともゆ ちわけり


 久しぶりに大阪王将(つかしん店)で炎のラーメン≠いただきました。昨年十月以来でしょうか。
 この辛さ、最高です! 味に深みがあって、胸に、腹に、そして脳にまで染み渡る感じがします。食べると身体の芯から元気が湧き上がって来ますよ!! 餃子とご飯が付いたセットに、生ビールもクーッと二杯飲んでしまいました(笑)。
 それにしても今日はぽかぽか暖かく、目の冴えるような明るい日差しで、ほんとに春かと思いました。自分の中では、もう冬を越した実感があります。もともと暑がりの私ですからね。このあと更に寒い日が来たとしても、気持ちまで冷えることはありません。
 ラーメンにも炎≠貰いましたし!!



平成31年1月18日(金)

        折 衷 弁 当


 揃ふカツ丼 スパゲテイ

 並べ盛るゆゑ 値打ちあり

 止まぬ食ひたさ 我覚え

 良きを好みゐ 飯にせむ


       そろふかつとん すはけてい
       ならへもるゆゑ ねうちあり
       やまぬくひたさ われおほえ
       よきをこのみゐ めしにせむ


 今日はミニストップで面白い物を見つけました!
 昼用の弁当に買った「カツ丼&ナポリタンスパゲティ」(税込498円) です!! カツ丼とスパゲティが一緒に入ってるんですよ! 今まで見たこともないメニューですよ! あまりの斬新さに頭をぶん殴られたような気がしてこりゃあ是非食べてみなければ≠ニ強くそう感じたのです。もう即決でレジへ向かいました。
 和洋折衷というけれど……。ふつう考えもしないでしょう、カツ丼を味わう時に、スパゲティのことなんて! 逆もまた然りです。でも美味しいんですね、これが!!
 アンバランスというか、チグハグというか、この無秩序を愉しむ#ュ想が実に素晴らしく、事実意外な妙味≠ェ身に沁みて、私は非常に気に入りました。
 既成概念をぶっ壊した味の革命≠ナす。この商品をご存知でない方は、是非一度ご賞味あれ!(当方はミニストップの回し者ではありませんので、念のため。笑)



平成31年1月17日(木)

        極 楽 浄 土


 さて歌ひ舞ふ 鳥も居る

 大池を舐め 微風や

 白き蓮の 花弁揺れ

 胸に悦満ち 声あらぬ


       さてうたひまふ とりもゐる
       おほいけをなめ そよかせや
       しろきはすの くわへんゆれ
       むねにえつみち こゑあらぬ


 芥川龍之介の小説「トロッコ」を読んでいて、同じ芥川作品の「蜘蛛の糸」を連想、御釈迦様がいるというその極楽浄土を思い浮かべました。といっても、私は極楽の様子をよく知らないので、単に蓮池≠フイメージだけで終わってしまいましたが……。
 なお、上の画像は平成二十二年九月に伊丹市寺本で撮影した中から見つけ出して来ました。「白き蓮」ではないけれど、仕方ないですね。今は当然時季外れだし、さしあたり蓮華≠写したものはこれぐらいしかありませんでした。



平成31年1月16日(水)

        代 用 朝 食


 今日温もりし 悦びの

 末に夢消え 寝坊やな

 また大慌て 店居むを

 サンドイツチ それら買へる


       けふぬくもりし よろこひの
       すゑにゆめきえ ねはうやな
       またおほあわて みせゐむを
       さんといつち それらかへる


 少しずつ日の出が早くなってゆく頃とはいえ、明るくなるのはまだ朝七時ぐらいでしょうか。蒲団の温もりを愉しみながら、わりとよく眠れたなぁと思ったら……。ふと目が覚めたのは七時十五分。わちゃ〜!! 寝坊しちゃった!!
 いつもだいたい七時半に家を出るんですよね……! 当然、朝ご飯を食べている余裕はありません。慌てて身支度し、急いで出勤です!
 途中、コンビニへ駆け込み、サンドイッチを五つ買いました。朝の分と、昼の分。五つで足りるかなぁ……。
 結局、午前中の空き時間に全部食べてしまい、お昼はお茶だけでした……。夕方お腹がぺこぺこでした。



平成31年1月15日(火)

        美 麗 人 形


 マトリヨオシカ 全部立ち

 胸へ咲く花 夢の色

 好きて遊び得 子も悦に

 我ら笑みける 暮夜を居ぬ


       まとりよおしか せんふたち
       むねへさくはな ゆめのいろ
       すきてあそひう こもえつに
       われらゑみける ほやをゐぬ


 私が帰宅すると、妻が小声で「ちょっとこっちへ来て」と言います。どんな重大な話があるのかと思ったら、
「今ちょうどお風呂に入るところだから、これ、まだ子供に見せないで」
 とのこと。あぁ、なるほど……。注文していたマトリョーシカが届いたのです!
 先に子供に見せてしまったら、遊びに夢中になって、お風呂に入らなくなってしまうだろうというわけです。
 入浴後、子供は私のところへ飛んで来て、
「ママがマトリョーシカ隠してるねん!」
 と訴えます。幼い目は、なかなか鋭いですね。隠したつもりでも、ちゃんと見ているんですね……(笑)。
 人形を渡すと、子供は満面の笑顔で喜んでくれました。入れ子の十体を並べにかかり、ほんとに嬉しそうです。以前は舌が回らず「マドロシー」と言っていたのに、今はちゃんと「マトリョーシカ」と発音できるようになりました(笑)。



平成31年1月14日(月)

        毛 並 色 艶


 今朝お日和 風も無う

 笑みつ路地行き 我温し

 塀に猫居て 目を細む

 甘えたらんや 喉震はす


       けさおひより かせもなう
       ゑみつろちゆき われぬくし
       へいにねこゐて めをほそむ
       あまえたらんや のとふるはす


 近所の路地で見かけた猫に、ふと親しみを覚えました。人懐っこく、逃げません。塀の上に留まっている、その背中を撫でてやります。ゴロゴロと喉を鳴らし、気持ち好さそうです。こうした行きずりの触れ合いに、しみじみ懐かしさを感じました。猫の背を撫でてやるのも随分久しぶりです……。
 昔は我が家にもたくさんの猫たちがいました。
 オバア、カピ、チッピー、チーコ、クーピー、チョコ、ニコ、トラオ、ヒョータ、コロ、ゴンクロー、コマ、ミーコ、アマ、アイコ、フサコ、チャーコ、チョロ、ゴンスケ、クロ……。過去二十年近く、半野良の子孫を代々可愛がっていたのです。
 その我が家から猫が消えて、かれこれ五年になるでしょうか。今のところ、もうペットを飼いたいとは思いませんが……、少し淋しい気もします。
 私は猫たちから、精一杯生き抜くこと、天命を全うすること、人生は一期一会だということを学びました。これまでの出逢い≠ノ心から感謝しています。



平成31年1月13日(日)

        一 庫 遊 山


 布袋笑はむ 招く店

 酒も酔ひぬと 夢気分

 この悦を為す 蟹料理

 お味よろしや 食べゐるぞ


       ほていわらはむ まねくみせ
       さけもゑひぬと ゆめきふん
       このえつをなす かにれうり
       おあちよろしや たへゐるそ


 川西市一庫(ひとくら)にある「京風かに料理 和音(わのん)」へ行って来ました! ネットで蟹料理の店を調べていて好さそうだなぁと思い、どうしても行ってみたくなったのです。
 能勢電鉄山下駅からタクシーで約五分。辺りには一庫ダムしかない山の中ですが、それだけに人里離れた静かでゆったりとした時間を過ごせます。お店の前に立っている大きな布袋像が、まず我々を迎えてくれました。
 いただいたのは猪名川(いながわ)≠ニいう名の蟹会席、五千四百円(税込) コースです。前菜(いか塩辛、小海老と蟹味噌の小皿、数の子ゼリー)、ずわい蟹の刺身、かに酢、かに茶碗蒸し、牛肉の陶板焼き、ずわい蟹の天麩羅、蟹チラシ寿司、味噌汁、デザート(パイナップルと、チョコレート味のカステラ)と充分な内容で、非常に美味しかったです。新鮮な蟹というのは、身が取りやすいですね。すうっと一繋がりで殻から抜き取れます! 生ビールをクーッと四杯も飲んでしまいましたが、ネット予約特典で飲み物が一人二杯分無料だったので、ありがたかったです!!
 料理も店内の雰囲気もまさしく期待通りで、私は大いに満足しました。
 ここのお店は鰻料理も美味しいそうなので、今度は鰻尽くし会席≠ネんかも食べに来たいと思います……!

  

  

  

  



平成31年1月12日(土)

        寒 中 精 粋


 汚れもあらぬ 真つ白き

 水仙お花 素朴にや

 和と美を得たる 植込みで

 夢の舟居む 幸呼べり


       けかれもあらぬ まつしろき
       すいせんおはな そほくにや
       わとひをえたる うゑこみて
       ゆめのふねゐむ さちよへり


 通院の帰り道、尼崎北高等学校の北側にある松ヶ本公園を通りかかったら、水仙の花が咲いていました。その真っ白さが非常に清々しかったので、一首詠んでみました。
 最初は水仙にばかり気を取られ、夢中になってスマホで撮影していたのですが、ふと上を見ると梅の花が咲いているじゃありませんか! 寒梅ですかねぇ。今度はその梅の白さに見入った次第です。



平成31年1月11日(金)

        露 国 人 形


 子を幾重にも 腹の中

 マトリヨオシカぞ 全部居る

 絶えず胸で 夢広げ

 猶鮮やぎつ 我笑みぬ


       こをいくへにも はらのうち
       まとりよおしかそ せんふゐる
       たえすむねて ゆめひろけ
       なほあさやきつ われゑみぬ


 子供がマトリョーシカの人形を欲しがるので、買ってやることにしました。
 ネットで調べたら、十体も入れ子になった品が千三百五十九円(送料無料)で売っていたので、即注文しました! 十体のうち、最も大きいのが身長十五センチ、最も小さいのが、なんと身長一センチだそうです!
 その商品はまだ届いていないので……。上の画像は、私が小学生の頃に叔母にもらったものを撮影しました。



平成31年1月10日(木)

        野 菜 水 煮


 もやし 玉葱 韮などを

 茹でゐつ温さ 我は癒え

 ポン酢のお味 ぜひ掛けむ

 笑める風味ぞ 悦べり


       もやしたまねき にらなとを
       ゆてゐつぬくさ われはいえ
       ほんすのおあち せひかけむ
       ゑめるふうみそ よろこへり


 ローソンで袋入りの野菜を買いました。「洗わずそのまま調理できる 6品目の野菜炒め」(税込108円) です。その名の通り、野菜炒め用のものですが、私はそれを水煮にして食べました。ポン酢を掛けて。温かくて、あっさりして、お腹が悦びました。



平成31年1月9日(水)

        松 之 内 過


 大寒夜明け 外出んや

 六甲の尾根 薄い雪

 道辺立つなり 声漏らし

 我は冷えに背 丸めゐぬ


       おほさむよあけ そとてんや
       ろくかふのをね うすいゆき
       みちへたつなり こゑもらし
       われはひえにせ まるめゐぬ


 昔は一月十五日まで松の内でしたが、近年は七草粥の七日が正月の締め括りとなっています。実際、現代社会において月半ばまで正月気分でいたのでは、仕事になりませんからね。
 さぁ出勤だ、今日も気を引き締めて働かねば! そう思って外へ出ると、六甲の峰にうっすらと雪が積もり、山襞がくっきり見えていて、とても新鮮な気持ちになりました。
 歌では「我は冷えに背 丸めゐぬ」と詠みましたが、さほど寒さも感じません。これから年度末に向けて、何かと忙しい時期です。大儀がらず、目の前の事から一つずつ片付けてゆくしかありません。とにかくこつこつ頑張ります!!



平成31年1月8日(火)

        大 日 化 身


 敢へて怒れり 魔を見据ゑ

 背に火の燃えむ 不動尊

 恐く御目冴ゆ 猶よろし

 悪き気や根ら 断ちつ居ぬ


       あへていかれり まをみすゑ
       せにひのもえむ ふとうそん
       こはくおめさゆ なほよろし
       わるきけやねら たちつゐぬ


 仕事の帰り道、時々この不動尊の前を通ります。尼崎市武庫之荘四丁目の法輪寺にある「出世不動明王」像です。説明板によると、
《江戸時代中期に易学の大家であった水野南北先生(一七六〇〜一八三四)は、日頃から不動明王の信仰が篤かった。南北先生の遺言にしたがい、一周忌(一八三五年・天保六年)に門人達が大阪天満の法輪寺に南北先生と等身大の不動明王像を造立した。
 大阪天満の地より一九六四年、寺と共に武庫之荘へ移転。現在に至る。》
 とのこと。また、
《不動明王は大日如来の化身であり、一切の魔、煩悩を打ち砕く為に姿を変えて忿怒の相を顕しておられる。色黒く、目を怒らし右の上唇を咬み、右手には降魔の剣を、左手には縛策を持ち、岩上に立って衆生の重障を鎮めるよう護ってくださる。右手の剣は人間の三毒煩悩(貪り・怒り・道理に暗い)の心を滅する為、また左手の縛索は下降の者を救うという御心をあらわす。》
 とも述べられています。これらを踏まえて新いろは歌に詠んだ次第です。
 私は宗教的なことはよく解らないけれど、お寺参りは好きですし、忿怒の相を拝見していると不思議に心が落ち着いて、自然とありがたい°C持ちになりました。



平成31年1月7日(月)

        祝 膳 招 福


 湯引きや刺身 鍋物ら

 河豚料理据ゑ 年賀居ぬ

 和をぞ覚えつ 味増せる

 実に目出度いと 慶ばむ


       ゆひきやさしみ なへものら
       ふくれうりすゑ ねんかゐぬ
       わをそおほえつ あちませる
       けにめてたいと よろこはむ


 毎年の行事、町内の新年会で、昨日は河豚を食べに行って来ました。阪急武庫之荘駅南側、線路沿いを少し西へ行った踏切のすぐ前にある「殿」というお店です。
 湯引き、刺身、鍋物、そして雑炊と、一通りのコースを堪能しました。仮名の制約もあって歌には詠み込めなかったけれど、ひれ酒や、焼白子というのが最高に美味しかったですねぇ! 皮は湯葉のような触感があって、それをプツッと噛むと、中からトロッと熱く滑らかな滋味が溢れ出し、思わずため息が漏れました。
「ふく(=福)」とも呼ばれる縁起物の河豚を、お正月にいただくというのも好いものですね!



平成31年1月6日(日)

        期 待 肉 店


 捏ね丸め為す ミンチをば

 音立て焼くか 我も笑む

 海老フライ添へ 湯気上り

 熱さよろしう 席に居ぬ


       こねまるめなす みんちをは
       おとたてやくか われもゑむ
       えひふらいそへ ゆけのほり
       あつさよろしう せきにゐぬ


 昨日は郵便局へ行った帰りに「COWBOY家族」塚口店で、文字通り家族で食事しました。私はカウボーイやわらかハンバーグ&海老フライ≠フランチセットをいただきました。サラダバーとドリンクバー付きで、ほんとに大満足でした。
 サラダバーには野菜スープやコーンスープ、デザートのソフトクリーム、私の大好きなカレーも付いて、いやはや至れり尽くせりです! カレーは子供も食べられる円やかな味で、それでいて辛口嗜好の人をも納得させる美味しさだと思います。ついつい二度もお代りしてしまいましたよ!! 正月の締め括りにこの満腹感、幸せだなぁ……!
 さて、これを新いろは歌にする際、少し苦労しました。「ハンバーグ」は「は」の字が重なってしまいますからねぇ。ずばり言い換える言葉が見つからなかったので、「捏ね丸め為す ミンチ」「音立て焼く」と表現しました。鉄板の上でジュージューと焼き上がる様を思い浮かべていただければ幸いです。



平成31年1月5日(土)

        自 転 車 旅


 ペダル踏む足 少と休め

 帰路影伸び 空に笑みぬ

 粘り強さで 我上手く

 難をも越え 威勢覚ゆ


       へたるふむあし ちとやすめ
       きろかけのひ そらにゑみぬ
       ねはりつよさて われうまく
       なんをもこえ ゐせいおほゆ


 淀川の鳥飼大橋へ至る河川敷にて、土手の斜面に長く伸びた自分の影に見入りました。



平成31年1月4日(金)

        伏 見 参 詣


 赤の前垂れ 狐らぞ

 稲穂銜ふる 夢に笑む

 自然調和す 慶びと

 幸をも得けり 御宮居ぬ


       あかのまへたれ きつねらそ
       いなほくはふる ゆめにゑむ
       しせんてうわす よろこひと
       さちをもえけり おみやゐぬ


 正月三日は京都の伏見稲荷へお参りに行って来ました。大鳥居から本殿まで、やはり物凄い行列でした!
 赤い前垂れを付け、稲穂をくわえた姿の御狐像を見て、一首。



平成31年1月3日(木)

        境 内 出 店


 初詣せむ 空も青

 世に夢架けゐ 幸念ず

 我麦酒など ほろり酔ふ

 お好み焼得 食べ温し


       はつまうてせむ そらもあを
       よにゆめかけゐ さちねんす
       われひいるなと ほろりゑふ
       おこのみやきえ たへぬくし


 正月二日は東大阪の石切神社へお参りに行って来ました。
 初詣の楽しみの一つは、なんと言っても境内の出店ですね! 焼き上がった粉物を見ると、どうしても素通りは出来ません! 缶ビールをクーッと飲み、熱々の湯気が立つお好み焼をいただきました。美味い!!
 値段が出ていなかったので、千円札を投げ出す覚悟で臨みましたが、五百円と聞いてやっぱり大阪は良心的だなぁ≠ニ感じました。ありがたい! 京都なら絶対に千円はしますからね。お釣の五百円でちょうどビールも買えて、実に幸せな気分に浸れました。暖かいテントの中のテーブルで、しばし寛ぎタイムです……!



平成31年1月2日(水)

        懐 古 堪 能


 荒神参り 帰路の店

 故郷覚ゆ そこ訪ね

 カレエライスを 味はひぬ

 好げにも嘗め 部屋で笑む


       くわうしんまゐり きろのみせ
       ふるさとおほゆ そこたつね
       かれえらいすを あちはひぬ
       よけにもなめ へやてゑむ


 清荒神へお参りに行った帰り、参道商店街の「あづまや」というお店で食事しました。
 通された二階の部屋は広く、テーブル席の奥にある座敷に親子三人ゆったりと陣取ります。昔ながらの古びた食堂というのは、なんとも言えない情緒があって、心から寛げますね! クーッとビールを一杯飲み、ほろ酔い機嫌で注文のメニューを待ちます。一階はほぼ満席で混雑していたのに、二階はお客も少なく静かなひとときを過ごせたのがラッキーでした。程良い暖かさに浸りつつ、窓からの眺めも楽しめました。
 間もなく運ばれて来たカレーライスは昭和≠感じさせる懐かしい味がして、とても美味しかったです。

  

  



平成31年1月1日(火)

        福 神 出 帆


 宝船居ぬ 明日へ向け

 歓びと笑み 乗れるぞや

 希望に燃えつ 湾を出で

 夢増し多く 幸成せり


       たからふねゐぬ あすへむけ
       よろこひとゑみ のれるそや
       きはうにもえつ わんをいて
       ゆめましおほく さちなせり


 新年の始まりです! 良い年になる事を願って、縁起物の宝船≠フ歌を一首、早速詠んでみました。
 ところが……。宝塚の清荒神および中山観音へ初詣に行き、その中山寺でおみくじを引いたところ、

《  第三番 凶
 [総運] 今は計画に対して反対する人、または露骨に邪魔する人が多くて、なかなか成就させるのが難しい。
 このような時は、無理に行動を起こそうとせず、時節が来るのを待てばよい。》

 とのことでした! 正月早々凶≠ニいうのが、笑っちゃいますよね!
 しかも《失物 すぐには出てこない。》ですって! 昨年十二月二十八日の項で述べたように、ちょうどマイナンバー通知カードを失くしたばかりなので、ズバリ的中ってとこですか……!?
 まぁ、私は結構楽しんでますよ。凶≠ニいうのはなかなか引くことがないので、逆に当たり年≠ゥなぁと(笑)。
 ともあれ、「待てば海路の日和あり」との託宣を心に留めておきたいと思います。

  

  



 2019年1月 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日

前月へ 翌月へ HOME

inserted by FC2 system